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2008-08-26
C++には関数のオーバーロードがあるから,Cの cosf みたいに型ごとに関数を区別して書く必要が無い. cos(x) と書けば, x の型を自動で判別してくれるということだ.が,落し穴が.
using namespace std を書かずに cos(x) を呼び出すと, x の型にかかわらず cos(double) が呼び出されるようだ(g++依存かもしれないが不明).オーバーロードされた cos を呼ぶためには std::cos(x) と書かなければならない.前者でエラーが出ないから, x が long double の場合などには期待した精度が出ないことがある.気づきにくいから注意が必要だ.
サンプルコード:
#include <iostream>
#include <iomanip>
#include <cmath>
#define print(var) std::cout<<std::setiosflags(std::ios::left)\
<<std::setw(25)<<#var"= "<<(var)<<std::endl
int main(int argc, char**argv)
{
print(sizeof(float));
print(sizeof(double));
print(sizeof(long double));
print(sizeof(cos(-0.5f)));
print(sizeof(cos(-0.5)));
print(sizeof(cos(-0.5l)));
print(sizeof(std::cos(-0.5f)));
print(sizeof(std::cos(-0.5)));
print(sizeof(std::cos(-0.5l)));
return 0;
}
結果:
sizeof(float)= 4 sizeof(double)= 8 sizeof(long double)= 12 sizeof(cos(-0.5f))= 8 sizeof(cos(-0.5))= 8 sizeof(cos(-0.5l))= 8 sizeof(std::cos(-0.5f))= 4 sizeof(std::cos(-0.5))= 8 sizeof(std::cos(-0.5l))= 12
何もつけない cos が, cos(double) を呼び出していることがわかる. std::cos はちゃんと引数に合わせた型を選んでくれている.